世界一悲しい象とも呼ばれた象のはな子が、昨年5月に亡くなったことは記憶に新しい。1956年にゾウ舎に忍び込んだ男を踏み殺したことと、その4年後である1960年に飼育員の男性を踏み殺したという二度の事故から、はな子は「殺人ゾウ」の烙印を押され、残りの一生をコンクリートの壁の中で過ごすこととなった。
このように、動物が人を殺めてしまうという事例は世界中にあるはずであり、それは中世のヨーロッパでも同様であった。ただ一つ異なるのは、この時代に動物が殺人を犯した場合、その件について本格的な裁判が開かれていた、ということである。
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