週末図書館

読書・映画・その他もろもろ、管理人が面白いと感じ、特に皆さんに紹介したいと思えたものについて書き綴るブログ

世界を変えた魚 (越智敏之『魚で始まる世界史 ニシンとタラとヨーロッパ』平凡社新書)

 魚が好きだ。刺し身も、焼いたのも、煮たのも。

そんな魚が世界史とどのような関わりがあるのか、知りたいと思った。

帯の煽りがかっこよい。

近代以前、西洋人の主食は肉ではなく、都市の殷賑を、航海の新局面を、自由の精神を、ヨーロッパの近代をもたらしたのは、魚である!

魚である!

また、著者の越智氏は歴史畑の人ではなく、専門が英文学、それもシェイクスピアであり、いたるところに沙翁の引用が出てくるのも、この本を手に取った理由の一つだ。

私も英文学科だったので。

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忍法合戦ふたたび!「バジリスク」の新章がアニメ化!

山田風太郎の小説作品『甲賀忍法帖』といえば、「能力バトル物」のさきがけとも言える傑作。

2003年には「バジリスク甲賀忍法帖~」としてせがわまさき氏により漫画化、2005年には同タイトルのアニメ化がなされた。

 

 

 

そんな「バジリスク」の続編が2015年に、山田正紀氏により講談社タイガから出版されていたのを皆さんはご存知だろうか。

 

その名も桜花忍法帖 バジリスク新章である。

 

 

この桜花忍法帖、『甲賀忍法帖』の10年後、寛永3年が舞台となっている。

「桜花」と聞いて陰陽座の「桜花ノ理」を思い出してしまうのは、あまりにも脳が単純過ぎるだろうか。

しかし、陰陽座バジリスクのOP主題歌を担当したバンドであるため、全く関係ないとも言い切れないのではないかと思ってしまう単純な私…。

 


「甲賀忍法帖」(MV)

あとTwitterで、よくわからないが、この曲が流行っているこの時期にアニメ化が発表されたのは…と勘ぐってしまう面倒な私。

 

今回の発表と同時に、ヤングマガジンでの連載漫画化も発表された。

 

また、アニメのビジュアルも公開!

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桜の下で寄り添い合う、主人公の2人。

期待大!

 

アニメ公式サイトはこちら 

basilisk-ouka.jp

 

アニメ公式Twitterはこちら

TVアニメ「バジリスク ~桜花忍法帖~」 (@basiliskouka) | Twitter

第157回芥川賞・直木賞 決定!【※2017年7月20日追記】

 

芥川賞沼田真佑『影裏』

(文學界2017年5月号に掲載されています)

 

文學界2017年5月号

文學界2017年5月号

 

 

直木賞佐藤正午『月の満ち欠け』がそれぞれ受賞しました。

 

月の満ち欠け

月の満ち欠け

 

 

芥川賞は候補者を見たときに、

今村夏子さんの『星の子』が最有力かなと思っていたので、少し意外でした。

 

直木賞を受賞された佐藤正午さんはベテランもいいとこ、選考委員の林真理子さんとほぼ同期。

『月の満ち欠け』はすでに発売済みですので、明日書店に行けば大々的な特集が組まれていることでしょう。

 

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AI普及の、その先 (井上智洋『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』文春新書)

人工知能がもてはやされている。

囲碁とか将棋とかで有段者を負かしているからなのだが、この件について言いたいことがある。

すごいのは人工知能ではなく、そいつを開発した人間だ。

もてはやすのなら人工知能ではなく、開発者である。そして国を挙げて彼らを援助するのが良い。

 

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「いつ」本を読むのか

このたびはこのような駄ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

今回は本を読む「場所」について、色々と考えていきたいと思います。

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色のシャワーを浴びる(加藤昌治『考具』CCCメディアハウス)

働いているとよく同僚から「なんかいいアイディアない?」などと軽いテンションで聞かれることがある。冗談じゃない。いいアイディアをそんな簡単に教えてやるものか。そんなものは私が独り占めし、上司から褒められ、評価が上がり、出世街道まっしぐらなのである。 

そんな簡単に、良いアイディアは生まれない。アイディアマンに憧れる、そんな私でもよいアイディアがみるみる湧き出すような可能性に満ちた本が、今回紹介する『考具』である。

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ブタによる殺人はいかにして裁かれたのか(池上俊一『動物裁判 西欧中世・正義のコスモス』講談社現代新書)

世界一悲しい象とも呼ばれた象のはな子が、昨年5月に亡くなったことは記憶に新しい。1956年にゾウ舎に忍び込んだ男を踏み殺したことと、その4年後である1960年に飼育員の男性を踏み殺したという二度の事故から、はな子は「殺人ゾウ」の烙印を押され、残りの一生をコンクリートの壁の中で過ごすこととなった。

このような例は世界中にあるはずであり、それは中世のヨーロッパでも同様であった。ただ一つ異なるのは、この時代に動物が殺人を犯した場合、その件について本格的な裁判が開かれていた、ということである。

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